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ITインフラ構築のチェックポイント:初心者にもわかる基礎から実践まで

  • 執筆者の写真: 直樹 竹内
    直樹 竹内
  • 2024年7月1日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年12月10日

ITインフラ構築のチェックポイント:初心者にもわかる基礎から実践まで


ITインフラは、現代のビジネスを支える「見えない基盤」です。これが不安定だと、どんなに優れたサービスやアプリケーションでもトラブルを引き起こし、信頼を損ねる結果につながります。特にインフラ構築では、複雑な技術要素を統合しながら、柔軟性・安定性・安全性を確保する必要があります。

本記事では、インフラ構築に必要な5つの重要なチェックポイントを解説します。それぞれの項目で詳細な解説を行い、具体例や判断基準を提示するとともに、活用できる技術やツールも紹介します。初心者にも分かりやすい内容となっていますので、ぜひご活用ください。


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1. スケーラビリティ(拡張性)とは?


スケーラビリティは、システムが成長するビジネスの需要に応じて負荷増加に柔軟に対応できる能力を指します。利用者が増加するたびにシステムが停止したり、遅延が発生するようでは、ビジネスの成長に悪影響を及ぼします。この問題を解決するには、事前に成長を見越したスケーラブルな設計が重要です。

スケーラビリティのポイント

  • 水平スケーリングと垂直スケーリング 水平スケーリング(スケールアウト)は、新しいサーバーを追加して負荷を分散する方法で、ユーザー数の急増に対応する場合に効果的です。一方、垂直スケーリング(スケールアップ)は既存サーバーのCPUやメモリを増強して性能を高める方法で、コスト効率の観点から適している場合があります。

  • 成長予測とキャパシティプランニング システムの使用状況をモニタリングし、将来的な利用者増加やトラフィック量の増加を予測して設計を行います。これにより、リソース不足やオーバープロビジョニングを防ぎ、効率的なインフラ運用が可能となります。

技術やツール

  • AWS Auto Scaling: トラフィックの増加に応じてサーバーを自動で追加または削除。

  • Kubernetes: コンテナ化されたアプリケーションを自動的にスケールアウト可能。

  • Google Cloud Monitoring: 負荷状況を可視化し、トラフィックの増加を予測。



2. 可用性(信頼性)を高めるポイント

可用性は、システムが常に安定して稼働し続ける能力を指します。システムの停止は、顧客や利用者の信頼を失うだけでなく、売上やブランド価値にも深刻な影響を及ぼします。特に障害発生時に迅速かつ自動で復旧できる仕組みを導入することが重要です。

可用性向上のポイント

  • 冗長化 システムやネットワークコンポーネントを複数用意し、1つが故障した場合でもバックアップが稼働する仕組みを作ります。これにより、ダウンタイムを最小限に抑えられます。

  • 自動フェイルオーバー 障害が発生した場合に、自動的にバックアップシステムに切り替わる仕組みを構築します。これにより、人手を介さずに迅速な復旧が可能となります。

  • 負荷分散 トラフィックを複数のサーバーに分散し、特定のサーバーに負荷が集中するのを防ぎます。トラフィック増加時にもシステム全体が安定して動作します。

技術やツール

  • AWS Elastic Load Balancer: 負荷を複数のサーバーに均等に分散します。

  • Azure Site Recovery: 障害発生時にシステムを自動的に復旧します。

  • RAID構成: ストレージの冗長化を実現し、データの損失を防ぎます。



3. セキュリティの基礎と実践

セキュリティは、ITインフラを守る最も重要な要素の1つです。不正アクセスやデータ漏洩、サービスの停止など、セキュリティ対策が不十分な場合には深刻なリスクが伴います。適切なセキュリティ対策を講じることで、システムの信頼性と安全性を確保します。

セキュリティ強化のポイント

  • アクセス制御 ユーザーやアプリケーションがアクセスできる範囲を制限することで、不正アクセスや意図しない操作を防ぎます。最小権限の原則を徹底し、アクセス権限を厳密に管理します。

  • データ暗号化 保存データや通信データを暗号化することで、データが盗まれても内容を解読されないようにします。TLS(Transport Layer Security)やAES(Advanced Encryption Standard)などの暗号化技術を利用します。

  • ネットワークセキュリティ ファイアウォールや侵入防止システム(IPS)を導入して、不正アクセスを遮断します。また、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃への対策として、クラウドサービスのDDoS保護機能を活用します。

技術やツール

  • AWS IAM(Identity and Access Management): アクセス制御を強化。

  • TLS/SSL証明書: 通信データを暗号化します。

  • FortinetやPalo Alto Networks: 高度なファイアウォール機能を提供。



4. ネットワーク設計のポイント

ネットワーク設計は、効率的な通信を実現し、セキュリティを向上させるために欠かせません。不適切な設計は、通信遅延やトラフィック集中の問題を引き起こし、業務の効率を低下させます。

ネットワーク設計のポイント

  • サブネットの分割 ネットワークを用途ごとに分割することで、トラフィックの管理が容易になり、セキュリティも向上します。部門ごとや業務内容ごとにネットワークを分離し、不必要なアクセスを防ぎます。

  • トラフィックの最適化 通信量が多いトラフィックに優先順位をつけることで、ネットワークの効率を向上させます。QoS(Quality of Service)を設定することで、ビデオ会議やリアルタイムデータ通信を優先的に処理できます。

技術やツール

  • Cisco機器: 高度なルーティング機能を提供。

  • AWS VPC(Virtual Private Cloud): 仮想ネットワーク環境を簡単に構築。

  • SD-WAN(Software-Defined WAN): トラフィック管理を最適化。



5. データ管理の重要性

データ管理は、システムの信頼性を維持し、障害時に迅速な復旧を可能にするための重要なポイントです。データの損失や破損を防ぎ、長期的に利用可能な状態を維持する仕組みを整える必要があります。

データ管理のポイント

  • 定期バックアップ 障害が発生してもデータを迅速に復元できるよう、定期的なバックアップを取得します。オンプレミスとクラウドの両方に保存することで、リスク分散が図れます。

  • データレプリケーション データを複数の場所に複製し、災害や障害時のリスクを分散します。地理的に離れた場所へのレプリケーションが推奨されます。

技術やツール

  • Veeam Backup: データの効率的なバックアップと復元を提供。

  • AWS Backup: クラウドベースの自動バックアップを実現。

  • Amazon Glacier: 長期保存に適したコスト効率の良いストレージ。



まとめ


ITインフラ構築では、「スケーラビリティ」「可用性」「セキュリティ」「ネットワーク設計」「データ管理」の5つが基本的な柱です。各項目で適切な設計とツールの活用を行うことで、安定性・柔軟性の高いシステムを実現できます。本記事を参考に、信頼性の高いインフラ構築を目指しましょう。

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設立:2001年11月13日
社員数:369名(2024年3月31日現在)
所在地:東京都品川区大崎 2丁目1番1号
   
    ThinkPark Tower 19 階
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